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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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非定型 口語短歌(ほとんど言葉のオブジェ)を

量産したあげく推敲に苦悶していると、文語定型和歌をつくりたくなってしまい、忙しいのについついこんなものも



くー (>_<) まあ、類型要素の組み合わせなのですけれどもね


初夏の野にわたりゆく風青み髪ゆたかにもふくむ花の香

麝香燈揺れつつ燻る身の深く血潮の流れ匂いたつまで

夜に深く衣にしろく身をつつみあゆめる鬼の月に澄むころ

嵐過ぐ杜のうちより揚がりくる黒き揚羽光る樹の液

胸のうちの何処にありや染まりゆく花ひとひらの深き紅
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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/30(金) 16:35:16|
  2. 交感神経日記
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たとえ仮構の表象でも

その表象には励起力が含まれていて、それに浸食されてしまうことがあります

しかも、それが自らが生み出してきた表現だったりすると、同期は完全に行われてしまうのですから、情動の積分値が降りかかってくることになります

いま、ツエランが何故、あのような最後を…ということが体感としてわかるようです
おそらく鼓動は地震の揺らぎのように感じられ

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/29(木) 13:20:28|
  2. 交感神経日記
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どこかで

追いつめられた先鋭化を期待しての作業になってしまうのが言語による表現…なのでしょうか

なんとなく自爆覚悟の突進…という気もします

というのは、他者からの評価あるいは肯定が一種の精神の暴走のブレーキとなるわけで、それを断念した場合、もはや制御はない…ということになるから

それは深化という意味で、他者無き自己への沈降運動でもあり、外への開けを奪われてゆく、ということでもあります
期待は、おそらくどこかで「狂気」の顕現への待機を含むのでしょう

でも、表現者にも、自ら思惟するものには、安全な場所などどこにもなく、守るべき身体もどこにもないのは、前衛は自らの血を流す兵士の立つ場所だからです
そしてそこには恣意の自由の全くない真空の世界があり、無限の追求が求められる表象は、常に未完のままに終わってゆく

それでも、迷走の果ての、終の疾駆は訪れるのだと思います

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/28(水) 23:22:56|
  2. 交感神経日記
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ピグマリオンシンドローム その11

店内はむしろ暗く、ケーキたちもこの時間は照明に照らされてはいないことが、むしろすずやかさを感じさせ清潔でもあった
都市はしばしば人工の光が陽光を混濁させる.その陰翳を含めて.それでも、その人工の光と高像の隙間に、なにかが生まれてゆく…ということもあるのだろう.ぼくたちの身体すら、光を遮り、そして反射する.それは静かな明るい泉におちた小さな石のつくりだす波紋の…いくたびにも折りたたまれてゆくくりかえしにも似ている.だとすれば光のなかに置かれた人形も、その空間に投げ込まれた石にもなるのか
人形もまた、光のうみだす領域を推移してゆく
人形と、植物の緑の光が織り交わすなにかを想起しようとするけれど、その人形はひとりの女性の姿に変わってゆこうとして…曖昧な形象のままにとどまる

陳列ケースから、不意にヴァニラが匂う…というのは錯覚かもしれなかった

店のなかは冷え、すこし湿度も高く感じられた.水辺の草のなかの早朝…霧ではなく靄でもない水の粒子の記憶が不意にやってくる
頬に触れ、髪を重くしてゆく水の粒子.析出する水の記憶…草の匂い

それは日時を喪った記憶でもある
初夏に介入してくる秋にも似ていた.秋は秋ばかりのものではない

いま、店の外を自転車が過ぎていった.自転車のタイヤの細いスポークがきらめく.光の一点に集中しようとする矢のように.

ぼくは玲子さんのリクエストであるゼリイ Der Wind von Mai を包んでもらいながら、硝子のケースに人差し指の先を触れさせる
硝子ケースの表面は冷えていた.指先に乾いて硬い.その先のケースのなかに、別の種類の黒いゼリーが置かれていた.5つ.繊い毛筆の字で「皐月闇」と書かれていた
黒…でも透明な黒だった.なかになにか小さく光るものがある.気泡のようなもの…気になったので
「それも5つ…」と、ぼくは指差した
少女のような店員はだまって肯いた.そして、どこか硬い動作でかがみこみ、その闇のように暗いゼリーをとりだす

ふとぼくは思う
…玲子さんの生む人形が、あれほどまでに死…を思わせるのは何故なのか


ここからは遠い、あの日の、そして別の日の五月の森のなかは、どこか水の底に似ていた.木洩れ陽は揺れさざめきながら明るい緑の下草に反射して、さらに反射は繰り返されて…きみを…あわい青と碧に染めていた

閉じられなければならない目が、あるいはあるのだろうか

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/20(火) 05:07:57|
  2. ダークファンタジー
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ピグマリオンシンドローム その10


あのときぼくは何を見たのだろう.その記憶が、なぜか霧のなかにあるように曖昧なままだった.いや、正確には曖昧ではないか…断片はあざやかに残っている
でも、その断片がひとつの時系列に繋がってゆかないから、ぼくの見たものの意味もわからない
そのあと、ぼくはあの土地に行っていない
叔父と叔母の一家が海外に住居を移してしまったためでもあるのだが

舗道の中央に続く花壇では芥子に似たちいさな花が茎をのばして丸く咲いている.そのわきを自転車で走ってゆくと、そのオレンジ色の花は不思議な揺れ方をするのだった

風は、言葉の背後にあるもののように幾度も折りかえされて…だからぼくたちの思うように流れでも渦でもない
見えないいくつもの弦が空間をみたして、響きあい無音のうちに収斂されてゆく…そして吹く風
5月の花が匂った.ウツギだろうか…ヒメウツギだろうか.風に含むもの…香りのこまかな、目には見えぬ霧…でもどこかに深い海があり、その海はぼくたちにつきまとう
海…嵐の海の匂い…揺れている髪は、微かに燐光を帯びるのだろう

そのカフェは、深くキャンバスのひさしを張り出していた.深い緑色のひさし.アジアンタムの大きな鉢植え.水をたたえた球体のガラス器には薔薇が沈められている.ぼくは自転車を降りて、そのひさしを潜った

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/14(水) 22:57:59|
  2. ダークファンタジー
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われわれは変化しか知覚しない

…と、とりあえず言ってみて、それから考えるというw
たとえば絵画を見る…という行為の刺激のありかたを考えてみると、そこには視線の揺れ動き…という動態をつねに含んではいないだろうか
(音楽の場合は予期と感覚残像の推移を要素とするので、やや異なるとしても)
変化を差(差異とか差延というとややこしくなるのでしばらくは回避)
絵画の場合は彩度の差や明暗の差から、あるいは境界を読みとってフォルムを作りだし…それは線であり、面でもあるものを視線は走査追走する…

その感受操作の運動を、認識…という行為と重ね合わせてゆくと、そこに主体の意識はない.あるいは主体を意識するとすれば、そこには「立ち止まり」あるいは退行がある…ほとんど、自らを過去化するといってよいような

回避…といえば、ほとんどナイーブといってもよい回避を一部の哲学は含んでいる
回避を、被覆隠蔽構築…と呼んでもよいのかもしれない

しばしば冗漫とはいえマッハの認識論にその回避はない
これについてはシオランの「オマージュの試み」をご一読ください

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  1. 2008/05/13(火) 04:52:53|
  2. 交感神経日記
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翅よ翅よ ふたつの光の街で その4

水晶の玉だろうか…と、褐色のシートの上から手にしたそれは、むしろ柔らかさを感じさせ、そして温かだった.ぼくは陽にかざすようにしてその球体を見る.ひどく脆い光の卵…そんな感じだった
非常に透明で、透明感は石英以上…これはアクリルなのだろうか
でも、アクリルよりも柔らかに思える

どこかが水だった.光は透過し、同時にたたえられてもいた.水であり光の器でもある…ただ、何かがその内側に見えるような気がする.内側?透明な球体に内側というものがあるのだろうか.降りる駅…というよりもいまは終着駅になってしまった駅が近くなった.風は穏やかだった.トラムはその速度を落としてゆく
ぼくはその球体を上着のポケットに入れた

トラムのシートの上で陽光をあび、あたためられていたのだろうか.球体は暖かかった
ことん…と一度揺れてトラムは止まり、ぼくは立ちあがった.その駅は、かつての都市の駅を残して使われている.でも、その先に広がる都市は多層構造の都市で…しかも復興されずなかば廃墟化し過疎化も進んでいる.いくつかの災害が過ぎてゆき、それでもこの国はまだ多くの人が生き延びられたほうだったのかもしれない.その島嶼という条件.比較的山地の多いこと.最低限ではあれ主食を供給できたこと.それでも国土防衛戦は凄惨なものだったという.飢餓が世界を覆った半世紀のあいだに、世界の人口は激減した.砂漠に雨が続き、いくつもの内海を生じ、暴風雨が幾度も過ぎ、烈しい地震も続いた.そして気象衛星からも観測されるような巨大竜巻

都市は、天蓋のような構造で自身を烈風から防護するしかなくなっていた.その天蓋は平坦で高強度だったから、さらにその上に天蓋が重ねられた2層3層の都市も存在する.周辺部の集光システムから太陽光が下層にも配分されるので、層状都市の人工の空は意外なほど明るかった.

トラムは、そのK市のS駅で止まったのである

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  1. 2008/05/12(月) 20:42:35|
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翅よ翅よ ふたつの光の街で その3

風は水の匂いがした
それもさまざまな種類の水の匂いが
まず感じられるのは堀の淀んだ水の匂いだった.まったく沼のように滞留しているわけではなく、流れ出してもいるのだろう
そして四方をコンクリートの護岸に囲まれた都市の海の匂い…その匂いであることを、ぼくは過去の経験から抽出して重ね合わせてゆくのだけれど、それは予兆に感覚を澄ませてゆくことにも似ていた.予期もせず、経験もしたことのないものに…自身の過去の経験を重ね合わせて

だとすると、そのかさねあわせによって未来は微分された過去への帰郷でもあるのだろう.トラムは、木製の車体に伝わる鉄路の振動をかるくやわらかなものに感じさせつつ走っている

初夏の陽射しはいま、大気の懸濁のためにやわらかく、風景も淡いもやのために輪郭を霞ませている…乳青色と呼べばよいのだろうか

トラムの乗客はぼくひとりだった.街は残っている.幾つかの災害の傷痕は、平らに潰れたままあ修復されない廃墟に残されて、でもその上は繁茂する夏草に覆い尽くされはじめている

それはきみの見ることのない風景だった.でもこの土地は、きみの暮らしていた土地でもあった

ゲニウス・ロキ

風に散らされては再びあつまる、地の精霊.トラムの、ぼくの向かい側のシートに、小さな球体が置き忘れられていることに、ぼくは気づいた

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  1. 2008/05/09(金) 08:20:25|
  2. ダークファンタジー
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にゃOCRのチェックです

F. D, E. SCHLEIBFLMACHER
the borderlands of some greater reality' which the Romantics held to be
both urhown and urhowable to pure reason, pervades the movement,
and proved to be enormously attractive to an age which had become
increasingly bored with the banalities of rationalism.
The ethos of the movement, like that of Enlighterment rationalism,
proved
capable of crossing national frontiers, with the result that German
Romantic I Sm
soon made its presence felt in England. The basic ethos of
the movement is expressed particularly well in the writings of the
English poet William Wordsworth (1770-l850), who spotce of the
human imagination in terms of transcending the limitations of human
reason, and reaching beyond its bounds to sample the infinite through
the finite. Imagination

ls but another name for absolute power
And clearest insight, amplitude of mind,
jhd Reason in her most exalted mood.

Romanticism thus found itself equally unhappy with traditional Christian
doctrines and the rationalist moral platitudes of the Enlightenment. They
both failed to do justice to the complexity of the world in an attempt to
reduce the (mystery of the universe' Jo use a phrase found in the
writings of August Wilhelm Schlege1 - to neat formulae.
A marked limitation of the competence of reason may be discemed
in such sentiments. Reason threatens to limit the human mind to what
may be deduced; the imqgination is able to liberate the hman spirit
from this self-imposed bondage, and allow it to discover new depths of I
reality " vague and tantalizing (something', which can be discemed in
the world of everyday realities. The infinite is somehow present in the
finite, and may be known through feeling and the imaginatioI1. As John
Keats (l795-1821) put it, (I am certain of nothing except the holiness
of the heart's affections, and the truth of the imagination.'
The reaction against the aridity of reason was thus complemented by
emphasis upon the epistemological significance of human feelings and
emotions. Under the influence of Novalis (Friedrich Yon Hardenberg,
l772J801), German Romanticism came to develop two axioms
conceming das Gejtu (a German term perhaps best translated as
・feeling, or tsentiment,, though neither conveys the full rzmge of
meanings associated with the original).
First, das Gefu'hl concems the individual. thinker, who becomes
39

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  1. 2008/05/08(木) 17:44:41|
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翔よ 翔よ ふたつの光の街で その2 変身物語

それが奇妙な街であることをぼくは知っている.実験的な都市計画は中途で放棄された多層の街
地下にある人工の空と緑地.水路.人工の海
植物のためにその人工の空の下には昼と夜がある

その街できみは生まれ、そして育ったという

そう、きみは不思議な映画の話をしていた.昔の映画のことを…「BirdSit」という題の、閉塞のエンディングのことを…同時に夕暮の川に羽化するカゲロウたちのことも話していた
カゲロウたちの透明な翔

ぼくはいくつか思いだすことがある.背中をみせることのなかった瀧夜叉姫のことをきみははなしてもいた.闇の中でも覆われていたその背中のことを

雨の日

だったろうか.あたたかな夏の雨の日の、でも雲は厚く暗い真昼間の、草の匂いが大気に満ちていたその時間に、ぼくはきみの背中に触れていた頬を、聴くために…きみの鼓動をやがて、喪われるはずの鼓動を聴くために

いま、ぼくは路面電車に乗っている.O市までは高速鉄道で移動できたけれど、その街まではいくつものトラムと呼ばれる単車両路面電車を乗り継がなければならない.それはたしかにサンフランシスコの坂を上がってゆく路面電車にも似ていたし、昭和の中頃までは都市に残っていたトロリーバスという乗り物にも似ていた.木製の車両の窓は開け放たれ、初夏の風が吹きこんでくる
風は水の匂いがした

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  1. 2008/05/06(火) 01:37:06|
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ヴェイユとカミュ

「南の思想」138頁

1949年6月 カミュはヴェイユの「根をもつこと」を熱烈に紹介した

…これまでの長い歴史上、われわれの文明に関して書かれた本の中でもっとも明晰で、もっとも高尚で重要なもののひとつ

「南の思想」

苦しみの偉大さと精神の偉大さ以外に尊敬に値するものはない

名誉

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  1. 2008/05/05(月) 04:46:41|
  2. 交感神経日記
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カミュ

ロジェ・グルニエ
「カミュはイワン・カラマーゾフであった」

否定の共有 という共同体

観念論は全体主義を必然的に構築する

イワン・カリヤエフ

歴史などない

もうひとつの南

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  1. 2008/05/05(月) 03:29:29|
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血と言葉と

moomstone


月長石のいくつかのひび割れと、霧のようなテクト珪酸塩の空間にとりこまれて、投射された光ははじめて月の光に似た様相をあらわす
それはぼくたちの言葉に似てもいないだろうか
ぼくの言葉はぼくを離れあなたにむかい、あなたという空間…透明であり、濁り、屈折し、ひび割れでもある結晶の…あるいは流動し、その内側に光を、光をうちけす光をも湛えているあなたの内側ではじめて射像となる
それは豊饒であると同時に、揺れ動くあなたなしには、ぼくのことばはことばではない、ということなのだ

だから、ぼくのことばはぼくのものではない。それはうけとめたあなたのことばになる
でも、あなたが、ぼくから離れたことばを受け止め、その受け止め方がぼくにとっての誤解であったとしても、その責任はぼくにある
ぼくをはなれたその言葉が、あなたの心に血を流したとしたら、その血の責めはぼくにある

そして、あなたの言葉もまた、ぼくに血を流させる
その血はべつべつの、でもひとつの血だ。痛みは痛みであるのだから

それでも言葉は放たれ、血は流れ、ぼくたちにその責めを逃れるすべはない
赦しがもし与えられるとすれば…それは痛みそのものとして受肉した神以外にはないのだろうか
たぶんそうではない。他者と他者であることは、ひとつの赦しの可能性でもあるのだろう

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/01(木) 10:05:53|
  2. 交感神経日記
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翔よ 翔よ ふたつの光の街で その1 変身物語 

頬にこまかな水滴を感じた.空は雲ひとつなく晴れているのに
空はパウダーブルーの、明るく淡い均一な青だった.春の終わり…あるいは初夏の真昼
ぼくは姿勢を正しくして歩いているのだろうか.上げていた顔が、すこし下を向いている
真昼はすぐに過ぎてゆく.だから真夏ほど苦痛ではない.鳥たちが空をよぎってゆく.頬にふたたび雨が触れた.言葉は自分のものではない.それはそれを受け止める他者のものだった
独語は自身に吸われてゆき、満ち足りて力尽きる.問いかけるもの、よびかけるものは常に他者であるとするなら、そのよびかけを失ったとき、ぼくはぼくですらない
道は乾きすぎていた.大気はやわらかに湿っていたというのに

季節のうつりゆきを苦痛とすることは、時の推移を、そのなかにあることを苦痛とすることだった

だから…そのまちにゆこう
と、ぼくは思い始めていた
そこに、きみの過去があるのだから

そして、そのまちで、みずからの名を…そう名を名乗るとき、ぼくははじめてこの世界で生をつないできた誰かであることができる
日常を、でもけっして同じ日々ではない日々を、日々につないできた過去を背負って
ぼくはぼくでありたかった

街路樹はその緑を深くしていた
そして、ぼくの肉はいま死を想っている

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/01(木) 00:46:50|
  2. ダークファンタジー
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