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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

重力 その8 淡青

芭蕉
定家
通小町
錦木
紅葉狩

こうしてみると秋の名曲♪ちょっと壮観かも
いつかは紅葉狩の鬼揃えをみたいなあ
鬼女5人はおそろしくもあるけれど、それは美女5人でもあって嬉しくもあるのでは?と思うわたくしがいる


重ねあい芭蕉の葉陰黒く真昼嵐はてゆく淡青の海
 裂けてゆく芭蕉の葉そのかげをきみの言葉の暗くする空
濃緑の蔦の根ほそみやさしくふれつつつつむそのむくろ澄む
 絡みあい立ちのぼる蔦紫に実りつつ実の重く凶(まか)しく
ぬばたまの髪重き夜こころ戦(さわ)ぐも伏せつつ離(さか)る足音を聴く
 血を責める水の滴る暗渠には白く脚たちの夜にわななけば
覆うことのできぬ胸と背つたえあう熱痛ましくうつしよの夢
 立ち木焼く煙に惑う地獄図にわれときみとのつなぐその手は
青海波の蛇紋の衣その内のやわらかき身に堪えぬ紅葉の
 のたうつを腕に包めば風に響き息嘯あまやかに空に極むを


おにゃかすいた…さつまいもをバターとおさとうでグラッセして…

芭蕉を探しているうちにこのかたのHPを発見♪
こあいよ
http://hagakurecafe.gozaru.jp/kurayamitop.html
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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/30(火) 01:35:53|
  2. 交感神経日記
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水のあやなみ Ⅱ 24



奥にあるエレベーターのドアは硝子だった
筐体の周囲はマホガニーの赤.周辺の枠は金あるいは真鍮.古い建物の装飾を再現しているように思える

フロントからわたされた鍵は名刺ほどの大きさの金属の板だった.1箇所に不規則な欠刻があり、それが鍵の役目を果たしているようだ.数字も刻まれている.601 
それも古い字体だった

「ここはホテル?」とぼくは尋ねた
「そのようにも使えるけれど…レンタルルーム…というのかしらね.小さなオフィスほどの広さはあるわ」
「記憶はある気がする」
「あたりまえよ」
と女性は笑った
エレベーターが下がってきた.草の匂いがする

エレベーターの壁にもたれて、何故かとてもゆっくり上昇してゆくエレベーターの数字を眺めている.エレベーターからは、外の風景が見える.琥珀色の硝子のために、夕暮の風景のように見えている.でも、いまは真昼だ.真昼…真昼の死

その死、をぼくは見ることはなかった
「…その死を、ぼくは見なかった」
「わかっているわ」
と女性はぼくの顔を見た

言葉は繰り返され、回帰し、固まろうとしつつこぼれてゆく.事実が、限られたかたちで語られ蘇る.ぼく自身ではすでにないぼくに語ることばとして

繋がり、そして切り断たれる.無思考に流されて

父の死は突然だった
予期はしていたし、覚悟もしていたけれど、容態は急変して、その死の瞬間を見ることはできなかった

エレベーターが6階で停まった.通路というべきものはほとんどなく、非常口のドアをのぞけば、入り口はひとつだけだった
「オフィスという感じがするけど」とぼくは笑った

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  1. 2008/09/29(月) 03:55:08|
  2. ダークファンタジー
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重力 その7 黎明

無用に漢語を使ってますが、そこは男うたということでw




秋草の叉牙たりその穂白雲の八重にかさなる水に映せば
冷ゆる陽に猶咲き残る朝顔や花くれなゐのかざしとはせむ
荻の穂のましろにたつをきみはみしいつか途絶ゆるひぐらしの声
黒髪に触れゆく霧の凍るらむ目をとじてきく音のかそけく
霧を低み川わたるよの恋しくも雁わたりゆくきこゆ声のみ


それにしても和泉式部の恋の歌はよいなあ♪
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/izumi.html


式子内親王の切迫と緊張もよいけれども

どちらも好きです

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/28(日) 03:28:30|
  2. 交感神経日記
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重力 その6 粛殺

なぜか断酒中
ということはともかく、日本酒も、その肴もおいしい季節
ウイスキーだってウオトカだって…きっとおいしいさ
でもね、こっちあまり飲めないのが遺憾ではあります
体質だからやむなし…ですけど
まあ醒めるのもはやいのでウオトカボトル3分の1くらいなら時間をかければ(検証済み♪)



ふたり寝の真萱秋荻穂の先の霧凝りゆく露に重くも
わたりゆく風は色褪せ広き野の夏に驕れる草も衰えて
凍る雲の空にあかるみ街をあゆめ野分鎮まる朝のふたりは
青む目のけものとけもの血に匂い傷つきこもる昼暗き部屋
扼殺の喉の黒髪絹雲のなお断ちきれぬ秋あおき空


う~ おなかすいたあ
う~ お風呂はいろ♪

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/27(土) 07:50:16|
  2. 交感神経日記
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重力 その5 rainmoon

moonstone 月長石
内部に拡散する光の霧のようなものがみえるのです
その光の霧をシラーと呼びます
それを見つめているとこころが鎮まるとか

月長石についてはこちらをごらんくださいね
http://www15.plala.or.jp/gemuseum/gemus-mnstn.htm


路樹の滴その葉先より月にみちて風に散り交い濡らすきみの胸
花たち、揺らぐことなく鎮みゆき夜深むままあるくふたりに
つなぐ手も閉じてゆく部屋拒まれて言葉なく添うこの雨の夜
もうどこにも流れない川そして魚およぎさざめく水澄みわたる
いまきみの内側の水をぼくは抱えつめたさにいま青みゆく雨の月

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  1. 2008/09/22(月) 23:14:07|
  2. 交感神経日記
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水のあやなみ Ⅱの23

狭い、それだけに車は入ってこないような路地だった
光は、ざわめくことなくその路地をみたしている
光の静かさ.赤みを帯びた褐色のビル.硝子の窓がひろく、青い空と白い雲を映している
女性は空を見上げて立ち止まっていた

予兆、という言葉がうかぶ
予感よりも、もっとかすかな感覚…感覚ですらないような
記憶を結びつけようとする営為あるいは整序させてゆこうとすること…でも、その先にある混沌
闇をもたないあかるみの不可視
もう…時間は流れない.過去へも、そして未来へも
空…雲が太陽を背負い、光を散乱させまばゆい…meta…高さは距離に過ぎない

「meta というのは距離のことなんだ.事象と事象のあいだに生成される距離.上位下位や抽象度、あるいは概念純度の階層とは関係ない」
「でも、この世界をすべる基本原理は…きっとある」
「捨象は…概念化はつねに簡略化だと思うよ」
「そうかしら…だったら言葉ってなに?」
「言葉には揺曳する気圏があるじゃないか…言葉はつねに話されるものだから」

ぼくたちは、その褐色のビルの前に立っていた.何度も、ここに来た気がする
そう…

「ほらほら、立ちすくんでいないで入りましょう」
と女性はわらった
「ここにはあたたかな水があるわ?」
「…あ」
ぼくは何かを思いだしかけている
「覚えているかもしれない…この場所を」
「無理に思いださなくてもいいわ…そうすると何かを失うかもしれないから…そう、あなたは前に遷移…という言葉をつかったけれど」
女性は黒く大きな目をぼくに向け、そして続けた
「遷移…というのはそこから失われてゆく、ということかしら」
「失われる、ということはその失われによって満たされるということでもあるから」
と、ぼくは答えた.前に立つと、硝子のドアが音もなくひらいてゆく

奇妙な場所だった.かつてはオフィスだったのだろうか.入り口はひろく、病院であってもよさそうに見えるが、受付はホテルのそれに似ていたから、
スーツの若い女性がふたり、ぼくたちに視線をむけていた

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  1. 2008/09/21(日) 00:42:41|
  2. ダークファンタジー
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重力 その4 衰える青

台風苦手です
正確には台風のもたらす低気圧が呼吸器にダメージを
ということで、今日は朝からぐったり.お昼過ぎにはついにダウンしたのでした

例によって、体力衰弱中につき、定型です


うなだれている彫像のたちならぶ秋…公園に駆ける子供は
手にしている風船曳かれ歪みながら弱くなる空…そして陽ざしに
離さない手と手かすかに汗ばむときこのままでいる…それもつかのま
サーカスはすでに立ち去り子の声はなおも響いて広場あかるく
いくたびも眠りより醒め幾度も眠りに沈む野の果ての部屋

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/20(土) 20:04:33|
  2. 交感神経日記
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昭和9年9月20日

昭和のはじめのこんな日、わたしは夏枯れの道をあるいていたのです
帰らなければならない場所に向かって
でもその場所は、いつか立ち去らねばならない場所でした
疲労は汗のように身体にねばりついて、足取りを重くしてゆきます
鞄には白いノート.そこに書かれなければならない言葉の重さ

道はゆっくり登ってゆく坂道で、土は乾いています.土は細かな瓦礫と、真っ黒な乾いた粉土をを含んでいます
そう…雪はとけて、その微細な黒鉛のような結晶の核を残します
氷晶のなかにあるちいさな核としての、黒

雪の日…そう…雪の日は過ぎてゆき、そしてふたたび訪れるのでしょう
でも、それをみるぼくはいません

いま…風はなく…たぶん…もうこの世界のどこにもなく、限りなく細かくされた風が、高いざわめきを内に封じて、決して静かではないあの街をおもいださせるのです
かたわらを、少女の自転車が過ぎてゆきます
そう…少女は老いてゆくのです
南…そう…南には海があるのでしょうか
もうずいぶん長いあいだ、海の砂に横たわっていません.そして雲と、淡い青の空を見上げていません
和菓子のお店のうすくらがりで、硝子コップのなかの氷が崩れてゆく鈴のような音に…耳を傾けていません
乗りあい自動車が、かたわらを過ぎてゆきます.肺病のあの娘が、わたしに手をふりますから、わたしもかるく手をふりかえします.あの娘は東京に帰るのでしょう
夏のおわりですから

そしてわたしは、帽子をすこし上げて空を見上げるのです
でも、そらは近く、明るすぎて、もう…どこにも雲はなかったのでした
そして、倒れることのできないわたしはいま…道をあるいてゆくのです

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  1. 2008/09/20(土) 14:06:18|
  2. 交感神経日記
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ケノーシス

自我中心主義…というのは欲望のあらわれかたのひとつで、それは精神的マーチズモー.権力主義でもある…すくなくともそれに通底してしまう

自己表現というのも、その構造は自我中心主義に吸われる以上、その自己表現と自己表現は衝突し、支配、被支配をもとめて争います

ぼくたちが反省しなければならないのは、優れていること、言葉をかえれば優越を、自らにもとめていること、そのことのうちに、他者にたいする優位の快楽を含ませていないか…ということです

本来、表現は永遠性つまり超越性への無限の漸近である以上、それは倫理を根底とした自己滅却の過程にあるもの、とぼくはおもうのですが…

表現者にとって、その表現過程の至福である無心にとって、最大の敵は自己顕示です

自己顕示と自己顕示はかならず衝突します.互いに不倶戴天の仇敵として
ひとに優位の快楽を嗅ぎあててしまったもうひとりが噛みつく場合、そのような構造が潜んでいることを、ぼくたちは見落としがちかもしれません.反省しなくちゃ


と、いうことで烈しくおすすめの1冊
ケノーシス理解のために

「神なき時代の神」キルケゴールとレヴィナス 岩田靖男 岩波書店

で、快楽ですが、味覚の快楽は無邪気な(=神聖な)快楽のひとつですよね
と、いうことでキャラメル系のパフェどこで食べようか妄想中

お・な・か・す・い・たあああ

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  1. 2008/09/17(水) 04:56:29|
  2. 交感神経日記
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重力 その3 水の木洩れ陽

にゃおお
北海道の学園祭に参加するためにタチシルバーJ 出撃しま~す(イミフ)


胸につつむ、背そして髪もつれあう腕そして足水の木洩れ陽
それは五月緑蔭のなおまばゆくてあの場所にいま向かう列車は
駆けてゆく鉄橋黒く空の青に衰える夏の音の幾つも
遠く水草は衰えよこたわる身体雲たちの流れのなかに
眠りに添い目を閉じている言葉なくかたわらにいま重ねあう息


テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/14(日) 09:27:36|
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重力 その2 息は紫

今日は起きたくないなあ
でも、おにゃかすいた

アイスクリームが食べたいが

眠るまえにオレンジをたべたので、身体からオレンジの匂いがする…気がするw



むらさきの靄朝風に散るまでの息かたわらに聴いている、海
海の丘にいま置き去られた花束も乾きそのうえに流れている、砂
砂に玩具なお原色になかば埋み秋そのいろもうすれてゆく、草
草の浜に波いつまでも続く真昼視野を翳が過ぎ遅れて聞く、音
音は鈴、そして硝子器閉ざす眠りふたりにかよう息はむらさき

むらさき=いちおう菫色くらいにしてください
朝顔の濃紫とか、紫煙のほとんど瓶のぞきでもよいですが
うすくしたり濃くしてみたりしてくださるとなおよろしいですw

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  1. 2008/09/12(金) 07:57:58|
  2. 交感神経日記
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重力 その1

お…おなか空いた

たまには暴食がしたい…

ゆきます(体力衰弱中なので定型)

水路への粗く外壁指先に触れつつ歩む血のにじむまで
そのゆびを口に吸う舌歯に噛めば草おののくも夏に疲れて
背にかわくここにない雨砂は白く海鳥の一羽落ちてゆくいま
蔦に黒く絡みあう裸身たちのぼる腕たちそして降りそそぐ雨
秋に鎮み翳より剥がれ霧に舞い戯れに交がう黒い蝶たち


そだ♪ ブルーベリーを見かけたからあれをふたつわりにして、お砂糖をまぶして、アイスクリームにまぜて練りなおして

きゅ~

かりかりピカタ

きゅ~

黒ビイル

きゅ~

(きゅ~ というのはおなかの虫が鳴いているおとです)




テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/11(木) 04:25:49|
  2. 交感神経日記
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Alexander's dark band 虹の暗さ

Alexander's dark band
死を全体性に、時間に、つまりコスモス・ロゴス世界に属すると考えることは、思考として安定し、同時にナイーヴな弱さ、を含んでいないだろうか
矛盾・対立の並存様態としてのカオス・アモルファス世界の回避として

同時に(相互に内包して)現実存在として立ち現われることの「なまなましさ」の感覚
その「なまなましさ」のあやしいまでの、なまめかしさ…としての艶
艶、あとかたなきことの認識を超えた受容としての覚悟

揺れ動くことがほの暗さあるいは暗黒をもたらすのはなぜか

薄明と霧は、その絶え間ない屈折のうちに光を散乱錯乱させる
そのありさまに似て、晴朗のうちに「透徹」しないこと、あるいは全体性に収斂されないこと
同時に、錯乱散乱のうちにあって微分的には=感覚的には明澄明晰であること
明晰であることは、意識としては、単一へ、全体性へ、コスモスに収斂されないことなのである.というのは対峙する諸様態のありのままの認識こそ明晰と呼ぶべきだから

そのような明晰を、ロシア的明晰、あるいは非西欧的明晰、と呼んでよいのかもしれない
解析不能の不安は、むしろ生の様態でもある.その混沌と見えるものが生の様態であるとするなら、その苦渋は質朴な誠実でもあるだろう…疑うこと=問いでありつづけること

命題には、解無し…という応答もあることを忘れてはいけない

参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%B9

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/10(水) 00:29:25|
  2. 交感神経日記
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水のあやなみ Ⅱの22

「そう…神社の背後には森と山があるはずだった…でも、その先は住宅地になっていたって」
「うん…新興住宅地の、似たような家がならんでいた.そう…自分の家がそのなかにあっても不思議ではないような…」
「あなたはなにを望んでいたの…」
「この世界が、悪夢に収斂されていかないこと」
「あなたの悪夢が消えること?」
「この夢が醒めることを望んでいるわけじゃない」
ぼくは続けた
「裏切られず、ゆるぎない世界で、この世界があることなんだ」
「…うーん」
と女性は苦笑した
「でも、あなたの言葉には珍しく、真率な響きがあったわ」
「真率…だった?」
ぼくは笑って女性の顔を見た
「いつも感情の揺れを見せないようにしているあなたには珍しく…」

稲荷の社は暗い朱で塗られていた.塗られたばかりらしく亜麻仁油の匂いがする
基礎は石で、そこはひどく古い.苔が幾度も這いあがり白い傷痕となっている.いまも、その土台を覆う苔があざやかなベルベットグリーンだった
一対の石像は狛犬ではなく狐で、白く塗られている.足は宝珠の上に置かれている.宝珠は真鍮のようだった

女性は社の前に屈み、手をあわせた.その動作がしなやかにも古風で、同時に獣めいても見えたのはなぜだろう

獣…そう、ぼくたちの身体は獣のものだった.それなのに…どこか高位に霊魂を仮想して
祈っていた女性がたちあがった

右側の狐は口をひらき、ちいさく赤い舌をだしている

女性はその狐の口に顔をよせ、その舌先をなめた
その石像の狐が、一瞬笑ったように見えたのだが
「行きましょう」と女性も笑顔で言った

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/07(日) 07:51:43|
  2. ダークファンタジー
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死者をして語らしめよ

死者をして死を語らしめよ

うつろにひらかれたその口に響く、風の音に
うつろにひらかれたその目に映る、雲の光に

生きる者の不意に閉ざす口のその沈黙によって
生きる者の終にとざすまぶたの、その闇によって

触れることのなき肌、くしけずられることのなき髪、愛撫に、震えることのなき肉、そして
抱擁に撓い、軋むことのなき骨の
その灰の
風に散るその
わななきによって

死者をして死を語らしめよ

その不在、その喪失、その空虚、かつてあり、いまはなく
腕にいだく身体なきことの
その宙宇に迷う愛によって

われらの、かたりえぬその沈黙によって
その沈黙に閉ざされる
限りない言葉によって
沈黙よりも
雄弁に
その闇よりわきたつ、さらに深い闇によって
その霧深き、月なき夜の闇によって
死者であるわれら
われらである死者

死者をして死を語らしめよ

                                 哀歌より (訳 磯村)


死者をして語らしめよ…というのは歴史学で時に使われるフレーズですが、たしかに史書の諸伝記は、ひとりひとりの人間のその死に極まる先鋭点をもつ…というのはたしかです

でも、その死者たちの日常…ぼくたちと、ひろい意味では共有しうる日常はどうなる…と、おもうのです
歴史に、その暴力的でもある歴史に収斂されえない死者たちのうめきは

あるいは、満たされることのない、その飢えは


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/05(金) 03:56:24|
  2. 交感神経日記
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血の不在 その20 嵐へ


むしろ風を檄え嵐に赴け

これで「血の不在」100首です


水、空に交わり嵐…ふたり立つことを、背そして腕、髪…風を檄えて
内側の血、肌を噛む歯に舌、息吹荒れて雨充ちる…野に遠い樹木に
まといつく水藻、散る花、花束、香り朽ちて沈みゆく、白く肌に水青くて
閉じる目に落ちてゆく眠りのその前、いつまでもたどり着けない部屋
重ねあう重さ、言葉、切り立ちあい、きみでありぼくであることその…血の不在

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/02(火) 21:16:12|
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