MittlereBereich

あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

重力 その14 揺籃

揺籃空高きとき青最も深く
濫觴水尽きるとき光極まりて澄む
隠棲す淵子悠々として憂い
漂遊す墨子浪々として憩う




ホワイトヘッドの「プロセス神学」 神学という呼称であるけれどhyrozoismであってtheismではない、という意味で「無神論」とも言えるのです
ただ、この世を作り変えてゆく穏やかな共有である「愛」の実在≒能動的実在 を神として認めているわけでもあって
さらにいえば、愛は神の一部属性ではなく、わかちがたい排他的合同として愛=神なのでした.当然、そこには裁くこと、は含まれません.いいかえれば、判断は神のわざではないのです

あと、ホワイトヘッドの神は虚数…イマジナリであり非存在…実数的存在論にとりこまれないなにかでありながら、なお機能するもの…とも言えるかな


襤褸まとう青き肌の子歌はいま途絶えゆく風野の秋の道
月ほそみ虫たちの声きよけくもさらにほそみてきゆるこのよる
寒露川面に散り交いぬきみをむねにつつみしままゆれゆくこと
朽葉木洩れ陽水底よりひかりさしかえす冬はきたりぬ
包まれる眠りは緑息を聴く窓に十月の光濡れる雨
スポンサーサイト

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/28(火) 04:49:46|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ヴァンゲリス










Metallic Rain というのはよいな♪

そして秋



テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/24(金) 09:40:45|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

重力 その13 嘯鳴

嘯鳴す海浜の暁
揺曳す雲揺の天

流水連ってあるんだよ

というのはともかくとして


鉄色の結晶をまとい暗く髪は横たわる砂 低くなる空
抱くとき重くその頚撓いつつもかすかにひらく唇は 朱
羽交いして冷えるうなじに落ちくるか雨 十月の褪せる草の野
雲に低み海鳥の群は黒 すぎてゆく秋あたたかにつつみ 雲たち
抱擁のつめたさの潮ゆらぎながら水底に眠りとけてゆく息


全身ダークトーンの服をまとって、長い砂浜のなみうちぎわをあるく秋…というのちょっとよいのですが、ムードにひたるにはまだまだ元気すぐるかも

おなかすいたなあ…などと思ってそうだし

砂浜で毛布にくるまって眠ると、打ち上げられた屍体の気分があじわえるかも
でも、見かけたひとに通報されて、警察がきちゃいそうでヤです

12時間くらい連続して眠るのがいまの夢
眠りを夢見ているのです…あいかわらずw




テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/23(木) 07:49:50|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:101

水のあやなみ Ⅱの27

「形相は透明なセロの弦の響きを見ているようなもの」
と女性は言った
ふと、ぼくであるわたしは思ったことがあった
「きみはRで、同時にRではない」
「ええ…あなたを受けいれとりこんできた…そのような推移を過ごしてきたから…もうわたしは推移を止めることができない.あなたから切り離されても自己展開してゆくでしょう.それが推移の…時の流れの持つ意味だから」
「でも、きみはきみだ…」
「そう…わたしはわたし…わたしではなく、わたしではある」
ぼくの背に、女性は顔を押しあて、手をぼくの前に回してきた.でも、抱きしめるわけではなく、腕を輪のようにして
指が、不思議なからみかたをしている.

どこか蜘蛛の巣を思わせるような…そう、やがて枯れてゆく草たちに張られた蜘蛛の巣に、羽毛をもつ草の種子が揺れている
霧はやがて雨にかわるだろうその野に


「統べることと、力場に吊られてなおあることは違うよね」とぼくは言った
「宙吊りのままの主体のこと?」
「その状態で、主体を疑うことかな」
「うーん」と女性はうつむいて笑った
「あなたの言う主体は、主体意識のことでしょう」
「うん」
「だとすると、それは鏡の迷宮にさまよいこむか、全体性へ限りなく拡散するか…そうなってしまうわ」
「でも…捨象は、要素限定にとどまればそれは思考の死だ」
「死…わたしたちは向こうでは死んでいるのよ…死にながらここでこうしている」
女性の腕に力がこもり、背後からぼくを抱きしめた

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/23(木) 06:12:02|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

「魯迅と伝統」あるいは

われわれの受ける「影響」について考えてみると、おそらく顕在化し外在として取りだせるものはそれほど深いものではない.より深いものは内在にとりこまれ、感受性思考統合の、つまりわれわれの精神とよぶものそのものとなって世界そのもの、あるいは精神の血肉となって背景化する.あるいは土台となる
われわれが、われわれそのものの身体を見てはいないように.

われわれの抱く「詩」の感覚が、痛み…としての倫理感覚と通底するとすれば、「詩」と「思想」はおそらくわかちがたい何かである
科挙の制度が教学と同時に詩の能力を求めていたのは、実態はどうであれひとつの理想形態をもとめていた、と言えるだろう

そのような伝統のなかに魯迅は育った

……

影響の奥深いもの、奥深くとりこまれ彼自らとわかちがたくなったものは顕在化することは難しい.それは本人にとっては至難だが、他者からはかろうじて定性分析のように再結晶させて抽出することも、あるいは可能であろうか
そして、その再結晶され析出するものは、むしろ書かれないもの、書かれえないもの、でもある気圏のようなものなのである.と、いうのは、情動のかすかな揺らぎや不可視の流れは、文章からは情動のかすかな傾き、文章を微分したベクトルとして現われるからである
しかし、通低し、共鳴し、二つの相異なるものに架橋するのはその情動の傾きの共有あるいは対峙なのである.互いに負の値をもつベクトルがひとつの鏡を共有していることを思うならば


……

起きなきゃ
秋の肌寒さのなかで、昏々と眠りたいものです

いまウルスラ・K・ル=グウィンの「天のろくろ」を読んでいます
おもしろいよ

ちょっと再構築中
http://sym82746.blog.so-net.ne.jp/2007-11-01-1

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/22(水) 07:06:02|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

BWV 639



トン・コープマンさん




ハッブル天文台かな? 微妙にソラリスっぽい♪



ピアノもよいです…

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/19(日) 17:38:35|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

アンドレアス・ショルさんの



ヴィヴァルディ スターバトマーテル



オンブラマイフ




主の子羊

よいです♪

でも、おなかが空きました…

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/19(日) 17:28:42|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

重力 その12 白青

事物事象と、言語を含む諸表現諸表象の関係は、形相全体と抽出された意味との関係であるけれども、その抽出される意味と、言語を含む諸表現諸表象を横断する共通イメージをメタ・イメージと呼ぶ場合と、諸表現諸表象から遡及的に構築され、事物事象と等しい密度質量を感覚にもたらすイメージ…自己展開し、ときには記憶化されるイメージ構築の結果を、メタイメージと呼ぶ場合もあるのです
ふたつのメタイメージが対極に置かれていることはちょっと面白いです
ダゴニェのメタイメージは前者かな?

えっとね
白青と書くと白磁の
青白と書くと青磁の感じがしませんか?
にゃ…目がくらくらしてきた



斜めに、光あたる壁あの日そこにおかれた手のいまはなく、声
パウダーブルーの壁ひとのかたちも真白にかわる金の西日に
秋の空をみあげることのできないままあるく舗道の影のその青
石鹸の白い泡に肌ほの青くふりそそぐいまは遠い夏の雨
白そして白遠い野の羊のなか雲を抱く朝に眠るぼくたち

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/17(金) 05:13:48|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

硬直

レヴィナスの特徴的言辞である「ではない」は、概念規定、あるいは捨象への忌避、といってもよいだろう
「~とは何か」とは、そう問いかけつつ、つねにその答えを否定してゆかなければならない問いなのである.にもかかわらず、その「~とは何か」という問いは、その応答とともに、しばしば概念規定にとどまり、そこで硬直する

その意味で「ではない」は互いに反駁する対話関係のうちに発せられる言葉でもある
「ではない」は開くことばであることにも注目しよう.それは単純な全否定の言葉ではない

そのうえで「並置」が状態となればどうであろう
対立し、否定しあう言辞と言辞が並置されたとき、そこには対立による架橋が行われないであろうか?
照射照応という関係性があらわれないであろうか?
同時に、その対立は、その対立する両者を包摂する状況そのものを暗示し、立ちあがらせてこないだろうか?

もうひとつ.キルケゴールの「あれか、これか」全体に揺曳しているのは旧約聖書の「伝道者の書」であることには注意
http://209.85.175.104/search?q=cache:OjC_t1HeeQoJ:www2.jan.ne.jp/~jr7vmu/bible/dendou.htm+%E4%BC%9D%E9%81%93%E8%80%85%E3%81%AE%E6%9B%B8&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp&inlang=ja

キリスト教文化圏での受容においては自明のことでも、意外に日本ではそこが見落としになっている場合が多い
つまり、「あれも、これも」ともに「空しい」のであるが、わが国では美的生活への絶望と、倫理的生活の賞揚…というようにしばしば誤読されてもきているので


参考までに
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%98%E3%83%AC%E3%83%88%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%91%89
http://en.wikipedia.org/wiki/Ecclesiastes

おなかすいた~

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/15(水) 05:13:14|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

水のあやなみ Ⅱの26

「外に出て、何かを買ってこようか」とぼくは言った
「なにかありそうよ」と女性は冷蔵庫と、その傍にあるケースをのぞきこんでいた
「クッキーに珈琲メーカー.フルーツジャム.チーズに牛乳とクラッカーまであるわ」
「壁の珈琲ミルも装飾じゃないのかな?」
ぼくは歩み寄って鋳鉄性の珈琲挽きのハンドルを回してみた.こまかな珈琲の粉が落ちていった
「だれかがここで暮らしていたみたいだな…」
「あなただったのじゃない?」
「まさか」とぼくは笑った「ぼくの部屋は別にある」
「だったらわたしのだ」
「え…」と、ぼくは女性をふりむいた
「こんな部屋で暮らしたいな…とわたし前に言っていたじゃないの」
「……」
ぼくは女性を見つめる.その表情を.いくつかの記憶が錯綜してうかびあがる.都市の川のそばを、ぼくたちは歩いていた…その記憶.雲ひとつなく晴れた空の、強い風が吹きつづけたその日


「揺れているわ…」
と女性は言った
「…え」とその声にぼくはふりかえる
「いま、揺れていると感じたの」
「……」
ぼくは部屋全体を眺め、そして細部を見つめた
なにも揺れてはいない
揺れているとすればそれはぼくたちだった.でも、その揺れが止まったとき、ぼくたちは、消える
「揺れるのをやめたとき、ぼくたちは消える」
「ええ…」と女性は言った

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/13(月) 00:50:30|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

重力 その11 砂鉄

朝なのに琥珀色の空凝固してひびわれてゆくぼくたちの声
耳に触れる寝息を腕に生白くそのあしうらの砂鉄に濡れて
真昼には淡い星たち、かわされる声風に散る午後の劫苦は
濯ぐ水を白磁にみたす鉄色のドアここまでは日差しとどかずに
散る月の湖水は暗くぼくたちはぼおとに浮かぶあおく透む骨


倫理は、こころにすむ悪魔あるいはデモンによってもたらされる(あるいは意識に立ちあがってくる)のだもん
あるいは、倫理選択の可能性のみが「自由」でもある
えっと
グレアム・グリーンの「21の物語」面白いです
そのなかの「説明のヒント」など

中原中也の「秋」という詩を紹介♪

………


   秋




   1

昨日まで燃えてゐた野が
今日茫然として、曇つた空の下(もと)につづく。
一雨毎に秋になるのだ、と人は云ふ
秋蝉は、もはやかしこに鳴いてゐる、
草の中の、ひともとの木の中に。

僕は煙草を喫ふ。その煙が
澱(よど)んだ空気の中をくねりながら昇る。
地平線はみつめようにもみつめられない
陽炎(かげろふ)の亡霊達が起(た)つたり坐つたりしてゐるので、
――僕は蹲(しやが)んでしまふ。

鈍い金色を帯びて、空は曇つてゐる、――相変らずだ、――
とても高いので、僕は俯(うつむ)いてしまふ。
僕は倦怠を観念して生きてゐるのだよ、
煙草の味が三通りくらゐにする。
死ももう、とほくはないのかもしれない……

   2

『それではさよならといつて、
めうに真鍮(しんちゆう)の光沢かなんぞのやうな笑(ゑみ)を湛(たた)へて彼奴(あいつ)は、
あのドアの所を立ち去つたのだつたあね。
あの笑ひがどうも、生きてる者のやうぢやあなかつたあね。
彼奴の目は、沼の水が澄んだ時かなんかのやうな色をしていたあね。
話してる時、ほかのことを考へてゐるやうだつたあね。
短く切つて、物を云ふくせがあつたあね。
つまらない事を、細かく覚えていたりしたあね。』

『ええさうよ。――死ぬつてことが分かつてゐたのだわ?
星をみてると、星が僕になるんだなんて笑つてたわよ、たつた先達(せんだつて)よ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
たつた先達よ、自分の下駄を、これあどうしても僕のぢやないつていふのよ。』

   3

草がちつともゆれなかつたのよ、
その上を蝶々がとんでゐたのよ。
浴衣(ゆかた)を着て、あの人縁側に立つてそれを見てるのよ。
あたしこつちからあの人の様子 見てたわよ。
あの人ジッと見てるのよ、黄色い蝶々を。
お豆腐屋の笛が方々で聞えてゐたわ、
あの電信柱が、夕空にクッキリしてて、
――僕、つてあの人あたしの方を振向くのよ、
昨日三十貫くらゐある石をコジ起しちやつた、つてのよ。
――まあどうして、どこで?つてあたし訊(き)いたのよ。
するとね、あの人あたしの目をジッとみるのよ、
怒つてるやうなのよ、まあ……あたし怖かつたわ。

死ぬまへつてへんなものねえ……

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/11(土) 17:48:06|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

重力 その10 揺落

秋は果物の季節だなあ♪きゅっきゅっ(←喜んでおります)
あと、これからがパフェの季節.散る落ち葉、かぜに舞う落ち葉を眺めつつパフェを物憂くつつくのです…ですので、風情をかもしだすには表情がかんよう.ぺこちゃん顔でついついにっこりなどしちゃダメだぜ自分(自戒)


ぼくたちを硝子に映している街の真上には雲そして青空
揺れながら漂うポプラいつか葉は陽になお淡く黄に澄みゆく日
黒い蝶翳より揺らぎ上る真昼裸身に纏う傷のくれなゐ
水琴の滴はひかる内闇につらぬき昇る黄金の砂
芒沈み狐と狐銀月夜戯れ交いぬ北の野の果て

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/09(木) 07:01:28|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

BWV639


テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/07(火) 16:48:33|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

匪兕匪虎(じにあらず、こにあらずして)

何草不黄,何日不行 いずれのくさかきならざる、いずれのひかゆかざる
何人不將,經營四方 いずれのひとかゆかざる よもをけいえいす

何草不玄,何人不矜 いずれのくさかくろからざる いずれのひとかあわれならざる
哀我征夫,獨為匪民 あいたりわがせいふ ひとりひとならずとなされし

匪兕匪虎,率彼曠野 じにあらずこにあらず かのこうやにさまよう
哀我征夫,朝夕不暇 あいたりわがせいふ ちょうせきいとまあらず

有芃者狐,率彼幽草 ほうたるきつねあり かのゆうそうにさまよう
有桟之車,行彼周道 さんのくるまあり かのしゅうどうをゆく


いろいろな解釈があるようですが、朱子集注には従いません

つまが、戦役に徴用された夫に向けて…という解釈をとって読み下してみました
匪兕匪虎 犀でもなく虎でもないのに荒野を彷徨している という表現は哀切です

有桟之車 は檻のある兵員護送車、のようなものを思ってよいと思います。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/07(火) 14:40:46|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

水のあやなみ Ⅱの25

「ここはもともとオフィスのビルだもの」
と女性は言った「それを改装してこのようにしたらしいわ」
「なんのために?」
「住居…ショウルーム…かな」
ドアは硝子だった.模様があり金網が鋳こまれているために、向こうは見えない.つかのま、ぼくは何かに立ちすくむ
「どうしたの」
「見えない」
「何が?」
女性は笑い、その笑いを引くようにおさめて、ぼくの顔を見た
「ドアの向こうの風景が、この歪んだ硝子に屈折して…」とぼくは言った
「そんなこと、あければ…」
女性は笑いながらプレートキーをスリットに挿入した.かすかな音がして、ドアの鍵が外れた

琥珀色の光が室内に充ちていた

夕暮の光、あるいは夜明けのひかりのような琥珀色の光.でもいまは真昼だ
その真昼から、喪われてゆく、青のスペクトルのためであるような琥珀色の光
「夕暮みたいだ…」
とぼくは言った
「それは窓ガラスのせいね.熱線吸収硝子みたいだわ」
そう…さしこむ光からは、どこか熱は失われている.空調の音は聞こえない.室内の空気はかすかに湿っている.観用植物が幾つも置かれている

でも、目が慣れたのだろうか.光の含む琥珀は淡くなってゆく

室内は、デパートの家具のショウルームを思わせた.でもソファーがいくつかとディスク、キッチン冷蔵庫…簡素なベッド.毛布…奥には壁のないバスルームのようなものがあった.そして白い大きなバスタブ.硝子のケース.ロッキングチェアにはほとんど等身大のクラシックドールが座っている


「おなかがすいたわね」と女性は言った

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/04(土) 11:27:42|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

重力 その9 矛盾

真昼間の月絹雲にとけあうよう…流れる髪の水である風
人形にその身を似せてすわる椅子に濡れてゆく水の内側深く
閉じてゆく目、やがてすべてが静止する夜刃の上に青む月光
暗紫雨に匂える肌に悩ましく葛、風に揺れ花は散りつつ
塔、壁を流れる砂に指をふれてどこまでも澄みはれわたる、空

流入流出系は拡散するか
そうではないだろう.
流入流出系は決定論に支配されないか
不明、というかわからない
流入流出系は定点で一定解を持つとしても、関数としての数値は変動してやまない.また反復としての振動をもつ
振動は、その極点前後の現われとして、互いに逆の微分値をもつ.つまり逆の対偶様相を持つ

その様相を矛盾…と見ることには、もちろん無理がある
飛躍すれば、矛盾のように見えるものは、幾度も疑ってよい
それは欲動あるいは希求に収斂される関数系の一部、その振動の様相に過ぎない、ということもあるのだから
その意味で「矛盾律」は言語思考にのみ現われる、としてもよいだろう

アドルノを読みなおすこと

この世界に、古いものなどなにもないから

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/10/03(金) 03:00:59|
  2. 交感神経日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

blogpet

アナログFlash時計26(アクアブルー)








ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する