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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

雨と雲と虹そして人形 その4話の4

パンダ橋は人が少なかった

光がまぶしく散乱して、どこか夏の雨の中にいるようだった.でもぼくはずっと、さっき垣間見たあの深い青を視野のどこかに追っている

ぼくはいま階段を降りて、入谷方向に歩いている.道には車が流れている.本当に流れている.光を反射しながら、同時にすずやかな闇をたたえて、その真昼を

その「三日月」という店は、その車の流れる大通りに面している.騒音のなかにあるはずなのに、でもひっそりと静かで、客は3人居た.12才くらいの男の子.黒い服の若い女性.明るいグレーの背広を着た痩身の青年.みな店のなかにすこし離れて座っている

店の中は暗かった.初夏のいまだからだろうか.木の下闇…という湿度のない涼しさの闇の雰囲気だった.でも、あの青は、木の下闇の中では見えないだろう
男の子は本を読んでいる.女性はプリントアウトされた文書をチェックしている.青年は子型のスケッチブックに、先をとがらせた鉛筆で何かを描いている

座ったぼくのまえにお茶が置かれた.クリーム餡蜜と、なぜか魅力的におもえたのでぜんざいも注文していた.ななめに向かいあう位置にいる青年が顔をあげ、静かにほほえんだ

そのほほえみは、どこか懐かしげで、さびしげでもあった.そう…もし祖父が青年の姿をしている時代があったら、そうであったかのように…とぼくは思う
その思いはもちろんなんの根拠も無くて、でもあざやかにそう思えたのだ.いまが昭和の初めの頃でもあるように

いまは真昼だった.机の左上にあのカードが置かれていても、ぼくはもう驚かなかった.カードには「безмолвие」とあった.そしてПотерянность と鉛筆で書き加えられていた.静謐と迷い…なんのことだろう

そして男の子がぼくをみた.とても不思議そうに
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テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/04/11(金) 04:55:29|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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