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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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水のあやなみ Ⅱ20

「水には意思があるのよ」
「……」
ぼくは女性の言葉の響きに含まれる幾つかのもの…異なる幾つかの散乱を聴きとっていたのだろうか
確信であり、迷いでもあるもの
ひとつの階層あるいは体系に置いては肯定であり、それとは別の階層あるいは系統からは否定であるもの
言葉…いくつもの言葉.言葉によって語りえない領域

ぼくは言った
「水には命がある…ということ?」
「すこし違う…」
と女性は言った「水が総てゆくのだわ.この世界を、ただひとつのものに.揺れながら…でも」
「でも?」
エスカレーターは上にゆきついた
ベージュのタイル.幾度も清掃され、けれど汚れて…無数の傷痕を帯びて…女性が上がりきったことに気づかず、つまずくようによろめいた
ぼくはその身体を、腰のすこし上で支えた.ぼくの手は綿のビロードのようなその布地に触れ、柔化さと硬さ、重さと、そして重くはないことを感じた
彼女の身体はしなやかに、そしてすこし重くなったように思われた…でも、いつに比べて

「ありがとう…」と、女性は言った.ぼくの顔を見つめている.すこし、彼女は背が高くなったように思えた.でも、いつに比べて
「歴史などないな」
とぼくは言った
「なによ、いきなり?」と彼女は笑った

駅の外は、まばゆいまでに明るかった

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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/08/09(土) 04:13:21|
  2. ダークファンタジー
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