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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

死者をして語らしめよ

死者をして死を語らしめよ

うつろにひらかれたその口に響く、風の音に
うつろにひらかれたその目に映る、雲の光に

生きる者の不意に閉ざす口のその沈黙によって
生きる者の終にとざすまぶたの、その闇によって

触れることのなき肌、くしけずられることのなき髪、愛撫に、震えることのなき肉、そして
抱擁に撓い、軋むことのなき骨の
その灰の
風に散るその
わななきによって

死者をして死を語らしめよ

その不在、その喪失、その空虚、かつてあり、いまはなく
腕にいだく身体なきことの
その宙宇に迷う愛によって

われらの、かたりえぬその沈黙によって
その沈黙に閉ざされる
限りない言葉によって
沈黙よりも
雄弁に
その闇よりわきたつ、さらに深い闇によって
その霧深き、月なき夜の闇によって
死者であるわれら
われらである死者

死者をして死を語らしめよ

                                 哀歌より (訳 磯村)


死者をして語らしめよ…というのは歴史学で時に使われるフレーズですが、たしかに史書の諸伝記は、ひとりひとりの人間のその死に極まる先鋭点をもつ…というのはたしかです

でも、その死者たちの日常…ぼくたちと、ひろい意味では共有しうる日常はどうなる…と、おもうのです
歴史に、その暴力的でもある歴史に収斂されえない死者たちのうめきは

あるいは、満たされることのない、その飢えは


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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/05(金) 03:56:24|
  2. 交感神経日記
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