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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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水のあやなみ Ⅱの22

「そう…神社の背後には森と山があるはずだった…でも、その先は住宅地になっていたって」
「うん…新興住宅地の、似たような家がならんでいた.そう…自分の家がそのなかにあっても不思議ではないような…」
「あなたはなにを望んでいたの…」
「この世界が、悪夢に収斂されていかないこと」
「あなたの悪夢が消えること?」
「この夢が醒めることを望んでいるわけじゃない」
ぼくは続けた
「裏切られず、ゆるぎない世界で、この世界があることなんだ」
「…うーん」
と女性は苦笑した
「でも、あなたの言葉には珍しく、真率な響きがあったわ」
「真率…だった?」
ぼくは笑って女性の顔を見た
「いつも感情の揺れを見せないようにしているあなたには珍しく…」

稲荷の社は暗い朱で塗られていた.塗られたばかりらしく亜麻仁油の匂いがする
基礎は石で、そこはひどく古い.苔が幾度も這いあがり白い傷痕となっている.いまも、その土台を覆う苔があざやかなベルベットグリーンだった
一対の石像は狛犬ではなく狐で、白く塗られている.足は宝珠の上に置かれている.宝珠は真鍮のようだった

女性は社の前に屈み、手をあわせた.その動作がしなやかにも古風で、同時に獣めいても見えたのはなぜだろう

獣…そう、ぼくたちの身体は獣のものだった.それなのに…どこか高位に霊魂を仮想して
祈っていた女性がたちあがった

右側の狐は口をひらき、ちいさく赤い舌をだしている

女性はその狐の口に顔をよせ、その舌先をなめた
その石像の狐が、一瞬笑ったように見えたのだが
「行きましょう」と女性も笑顔で言った
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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/09/07(日) 07:51:43|
  2. ダークファンタジー
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