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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

水のあやなみ Ⅱの29

その真鍮の蛇口からには違いないが、どこか遠いところから湧きだし溢れてゆくような水を、ぼくは茫然と眺めていた.白磁に近い湯舟はひどくゆっくり水にみたされてゆく
手をひたすと、温度はすこし高めのようだった.それでも40℃まではないだろうか

女性はためらうこともなく服を脱いでいった.その背の、紅の蝶のかたちをした傷痕は、緑に…緑の光を帯び、その輪郭を鮮やかに、同時に曖昧なものにみせている
愛した…という言葉が使えるなら、その傷痕をぼくは愛してもいたのだろう

爪先から、女性はからだを沈めていった.うすあおい水のなかで、女性のからだはのびやかに見え、沈みそうになる頭をぼくは手で支えた
髪が水にひろがり揺らめいている
髪も緑色を帯びてみえる
緑色
この部屋にさしこむひかりが緑色なのだろうか
ぼくは窓の外に視線を向ける.光は、むしろわずかに琥珀色を帯びて見えていた.琥珀色、あるいは淡く金色を帯びて…金属のような

かすかに女性はその顔を歪めた.かすかに苦痛を感じてもいるように


水の密度は人の身体とそれほど違わない

だから…水がさざなみ立てば、それはぼくたちの身体につたわってゆく
…なぜ、ぼくたちはぼくたちであるということに苦痛を感じるのだろう

いくたびも感覚は繰り返され、傷痕を残してゆく.いくたびも放たれる「そうではない」という言葉.ぼくがぼくであることの閉塞と荒涼…繰り返されることは、荒れ果ててゆくことなのだから

内包と様態が概念の純化にあらがうなら…切り裂かれてゆくもの
切り裂かれた傷痕こそが、すべてを包み込もうとするだろう


「きみの見ていたぼくも、結局きみ自身の鏡像だったかな…」
「そうかもしれないわ…時間をともにしていた…時間をともにすることを無条件に信頼してもいて
でも、いまは違う.こんなにも近くにいて、こんなにも切り離されている」
「いつか、なにかが浸透しあうのだろうか」
「鏡は鏡のままだわ…ねえ」
女性は視線をぼくに向けた
「なに?」
「水と空気の境界で、わたしはいま切り裂かれている…あたたかな水と、冷えた空気に…魚のように…沈みたいわ…水に.あなたといっしょに」
湯舟はたしかに、二人で沈むのにも充分な大きさと深さがあった

ぼくは立ちあがって服をぬぎはじめた
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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/11/16(日) 19:56:41|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<あの階層構造は… | ホーム | metalic rain その2>>

コメント

ありがとう!ヤれましたww


素人の女の子と普通にヤレましたww
ありがとうございました!!

しかも、女子○生!!!!

http://18erosta.net/se1001/33191/
  1. URL |
  2. 2008/11/16(日) 20:05:31 |
  3. 亀きち #7di3CiSc
  4. [ 編集]

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