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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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水のあやなみ Ⅱの33

水の音とぼくたちの眠るような呼吸が広い空間にひろがり、そしていくつもの音の断片にまじりあってゆく.でも断片となっても、その音は互いに減衰しあわないようだった.音の粒子、音のモナド

「信仰を拒むことによって神に近づくのよ」
ゆっくり水を足で泳ぐように動かしていた女性がいった
「きみの言葉を…パラフレーズしてみようか」
とぼくは笑った

ぼくは上体を水からあげ、胸の前に女性のあたまを抱えて支えるようにしている.濡れた髪、そして水にひろがって揺れる髪
いつ、髪を伸ばしたのだろう
いくすじかの白い髪は、いまは無かった
濡れた髪からは、なつかしい匂い…おさない獣の匂いがする
ぼくは目を閉じ頬を女性の髪におしあてる
そう…
雪…雪
降っていた雪
大気から析出するようにあらわれて、沈む雪
音は微かだった
車の屋根に触れて、雪のたてる音に耳を澄ませて…雪は触れ、微かに硬質の音を残して溶けてゆく.それは消えてゆくものの残響だったから、それが雪の音だった


「そうか…救われてはいけないのか」
「ちがうわ…たぶん」
「神の律法は死者にはおよばない」
「わたしたちは、死と無によって言葉に還元される…それは神に還元されるということじゃないかしら」
「それが救い?」
「そのときそれはもう」女性はつづけた
「もうそれは、救いですらないわ」
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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/12/03(水) 07:31:23|
  2. ダークファンタジー
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