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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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水のあやなみ Ⅱ その34

…でも
ぼくたちはいま、こうしている

内側の奥深くでも触れながら

…そう、触れあっている肌と肌からは、漿液が流出してゆく.水硝子のように層になって、あるいは塩でできた雲母のような薄片となって光を反射し、水に溶けてゆく
すこし濁った陽炎のように

女性は低く笑った
その声の暗さが…疲労の印象がぼくを驚かせている
…あなたの感覚も、言葉による再構築に取りこまれてゆくのだわ

…ぼくたちの言葉には変移を映す力はないと思う
…でも、わたしたちの感覚は、変移しかとらえられない

ぼくは胸に、女性の背を包む.わずかな動きに、水が流れ込み流れ出す.かすかなざわめきとともに.でも、触れている場所から、あたたかさが伝わる.水は…というより流れている湯はぼくたちの体温よりもあたたかだったから、それも不思議だったけれど

…何故だろう?
…何が?
女性は黒く大きな瞳でぼくを見上げている

「平衡していると熱は流れないんじゃなかったかな」
「それが?」
「なのに、いまきみの背から感じるあたたかさは?」
「…均衡しても、静止しているわけじゃないとおもうわ」
「…と、いうと?」
「熱の移動はおきているのよ.でも流入し流出する熱の流れが等しくなるから.気体のマクスウェル・ボルツマン分布って習ったでしょう」
「そうか」
とぼくは言い、女性の髪に頬をよせた

…風
女性はつぶやくように言った



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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/12/29(月) 05:23:57|
  2. ダークファンタジー
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