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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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みぞれ雪降る日のために その8

「ここに来ておすわりなさい」
と雪子さんが言った

窓の外は、明るい光に満ちて、でも…よく刈りこまれている高麗芝の先には木槿の葉が落ちてベンチを埋めようとしていた
ぼくは雪子さんの隣にすわろうとしたのだけれど

「りょうこちゃんの隣に座って」と雪子さんがいう.陽光が藤の長椅子をあたたかにしている.唐草の織物の表面も、あたたかそうに見えた.でも、それよりもそのひとの背の丸さがあたたかそうに見えていた.それを不思議にも思ってもいる.眠るそのひとは、いつもの厳しさから解き放たれ、あたたかさとやわらかさのうちに、どこか、幼ささえ感じられもしたから

…幼いものは水に浮かぶ月、概念はそれをすきまなく満たそうとするが、それは双曲線の座標軸への漸近に似るだろう.無限に接近し、けれども触れ得ないふたつの線.触れて、互いにみたそうとするときそれは、月を掬うことのように指のあいだからこぼれおちてゆく…だが、無限は無限に依って満ち足りる



黒い本にあった漸近線と言う言葉をたしかめるために、旧市街の公園にある図書館に秋、ぼくは出かけたのだった.霧の日…でも、図書館の窓の近くは明るくて、ひどく旧い、群青色の関数論の本をひらくと、そこには幾つもの曲線と数式が並んでいた.美しく整然とした図形…数式


音…が聞こえている.かわいた軽い音…砂よりも軽く.風に交じって微かに.でもそれは柔らかな音ではない.視野の片隅で揺れているものを感じてぼくは外を振り向いた



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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/02/03(火) 05:34:40|
  2. ダークファンタジー
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