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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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みぞれ雪降る日のために その9

風が烈しく樹木を揺らし、一瞬のうちに落ち葉を吹きはらうように舞い上がらせた
そうぼくは思ったのだけれど

それは鳥たちだった.褐色の鳥…枯草色の小形の鳥たち.群といってよい数が、いっせいに飛び立ち左の空に上がっていった
風などはなかったのだ

鳥たちが去ったあと、その大きな枯葉がひとつ、またひとつ枝を離れ揺らぎながら落ちてゆく.真下に.風はない
枯葉はその輪郭をのみ、繊い金緑に光らせて揺らぎながらゆっくり旋回しておちてゆくのだった
それを雪子さんも見ていた
その横顔に翳りのようなもの憂愁のようなものが浮かび、つかのまに消えていったのだが、ぼくはそれを見た
かすかに、かたわらのそのひとの寝息がきこえている

「けれど、吊られないものはまるく内側にくるまってゆく.時間は、繋辞にとりこまれ、仮構を投射しつつ織り上げられてゆく…時間性なしに存在し得ないという意味でも神は仮構だ.逆に…」


触れているそのひとの身体からあたたかさが伝わることにぼくは、驚いてもいて、なにかが均衡のようなものを失い揺れつづけているようにも感じていた.不安より静かに、けれどもさらに大きく揺れている.足元のつややかな木の廊下の床さえうねるように揺れているようにおもえて…ぼくはすこし酔うようだったから、目を閉じた

風景が見えた

「ムジールのいう…いまだ目覚めぬ神のもくろみ…あるいは…関数的に揺れ動く、同時に因果律には縛られない偶有によって、わたしたちの世界は飛躍をくりかえす.その飛躍もまた、この世ならぬ天使の翼だ」

その黒い本には、ぼくに理解できない断章が多く…ほとんどといってよいほど多く含まれていた.けれども、その断章をぼくは暗記し始めてもいる.そのことに、微かな怯えをぼくは感じてもいる.うすく濁る深い沼の水を覗きこんだときのように

その土地の夏…まばらな樹木の林、その高い梢はまるく揺れ続け、その林のなかに沼があった
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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/02/28(土) 06:37:29|
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