MittlereBereich

あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

みぞれ雪降る日のために その10

それはそこにはあってはならない沼…という印象があった
ぼくは祖父に手をひかれて、そこにいったのだが

7才のぼくをつれて、祖父は緊張していた.何に緊張していたのだろう.ぼくの知識や読書の習慣は祖父から受け継いだもののはずだし、言葉やものの見かたもおそらく祖父のそれに倣っているに違いない
その空の浅青を映し、晩春の風に沼の表面はさざなみだっていたから…さわぎたちさざめき…沼の深さは見えなかった.葦が枯れ、同時にあたらしい葉先が伸びて風に揺れていた
祖父は黙って、ぼくと手を繋いでいた.力強くも弱くもなく…ただ離すまいという意思は感じられて
綿毛の種子が白く風に流れていた.それは空たかくまで覆うように見え、同時に、その午前の空を夕暮の空のようにみせていた.絹のような雲は低く流れて、空は近かった.そして、沼には死の気配があった.死と、そして悪の

祖父は沼を見つめていた…風景…ふたつのひとの身体


いまぼくは、そのひとを挟んで雪子さんと一緒の椅子に座り、初冬の陽光に背をあたたかくしている.温室のような廊下の陽溜まりのなかにいて、でも、なにかが凍えている.これから冬が深くなるからだろうか

違う…なにか…悪のようなものがそこにあり、それに雪子さんが緊張しているのだ
ぼくは雪子さんの横顔を見つめた
ぼくの視線を感じたのだろう.雪子さんはぼくを見て微笑み、その微笑みを消して、ぼくの目を覗きこむようにした.深く奥まで覗きこむように

かたわらでそのひとの寝息は続いている.深く、そして静かに
スポンサーサイト

テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/03/04(水) 08:20:23|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<Metalic Rain その16 | ホーム | SNOWDROP>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sym82746.blog46.fc2.com/tb.php/275-f7efaa6e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

blogpet

アナログFlash時計26(アクアブルー)








ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。