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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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水のあやなみ Ⅱの41

そして、一匹の犬が森の間の小径を歩いている。黒いつややかな毛に身を包む細身の、しかし巨きな犬だった。その犬はやがて、誰一人いない地下道を微かに爪の音をたてて歩いてゆくのだった。歩く闇…という印象も、そして漆黒の狼ようにも見え、それは同時に烈しい意志で死より甦った神のようにも思えた。死の極みがそのままに生であるかのような、あるいは純粋な生の衝動の具現、あるいは集合記憶としての幾万もの死、そして冬の枯れ野の朽ちてゆく草、あるいは滅びた都市の記憶のようにも思えた。そのすべてを水の影のように湛えて、おおきな黒い犬はあるいてゆく

神の犬、という言葉がある

…それはいつもあなたの後を追って歩く。離れることはない。全くの沈黙と共に、双眸を静かに開いてあなたを見つめながら。あなたはけれども、その視線を逃れることはできないその黒い神の犬

それはいま、ふたりのところに歩いてゆくのだった


「どこかまだ静謐なままゆきさきの見えない罰を受けている気がするよ」
「罰…罰だとしたら罪はどこにあったのかしら」


まして、神の記憶にとりこまれながら、いつまでも自己展開を続けるほかはないぼくたちは…

タオルは乾いていた
その乾いた感触のなかに残るかすかな水の気配


「わたしたちが光を求めたとき、わたしたちは光に…つまり自分自身に閉ざされたのだわ.でもあなたはわたしではなかった.わたしを苦しめ、わたしに侵入した」
「ほかに…どうすればよかったのだろう」
「宿命だったのかしら」
「宿命などはないさ…」
と、ぼくは言った

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  1. 2010/12/11(土) 08:19:30|
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