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あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

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ピグマリオンシンドローム その1

中庭の温室の横で、父親の遺したイギリス製の28inch自転車を引きだし、そののタイヤの細いリムに繋がって張りつめているスポークを、レンチで軽く敲きながら音をおなじにしてゆく.それは弦楽器の調律に似ているのだろうか

レンチでしめてゆくにつれ、音は高く澄んだ音にかわってゆき、スポークからの張力は統一されリムは真円になって、手でまわすとレコード盤のターンテーブルのように音も無くまわる.放射状にのびた車輪のスポークだけがきらめいて陽光を散乱させている.公園の噴水のように

庭の樹木の高い梢で鳥が鳴いている声がする


その方向を見上げると、枝を揺らして鳥は飛び去っていった.緑…というより空色に近い小さな鳥だった.なんという名前の鳥だろう

小鳥…という名をもつパオロ・ウッチェロは沈黙の少女と暮らしていたというけれど、それは人間の少女だったのだろうか

ぼくは庭の池の水で手をあらうと、庭に置かれた石のベンチの上に置かれた布製のかばんを肩にかけ、自転車にまたがると走り始めた

広い公園と墓地をよこぎってゆく道なので、ゆきかう車は少なかった.桜の季節は過ぎ、ダグウッドの花も散って、でも桜の匂いがする.桜は小さな実をつけはじめているのだ
頬に、なにかが触れた.氷のちいさな粒のような…空は雲ひとつなく晴れていたのだけれど

ぼくはこれから、薄暗いあの工房にゆくのだ.石膏の匂い.亜麻仁油の匂い.樹脂の…そして銅の、真鍮の鉄の…そして冷たい銀の匂いの、花の…薔薇たちの匂いもする

そして、いつもどこかひんやりとした空気のなかの、かすかに病んだ少女の匂いのするなかに


ちょっと「非・健康」な方向で「非・病気だけど衰弱」という方向でいってみようかと
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テーマ:自作小説(ファンタジー) - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/03/01(土) 21:07:19|
  2. ダークファンタジー
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