MittlereBereich

あやしく意味不明のダークファンタジー&SF。 一応健全(?)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

雨と雲と虹そして人形 その3話の3

女性は木製のテーブルの上に、珈琲の缶をふたつ、そっと置いた.彼女の髪はもう、美しい灰色になっている.

「思いだすことがある…」とぼくは言う
「なあに?」
「あの車を走らせていた昔」
ぼくの指差す先には、もはや原型をとどめないほどに赤く錆び崩れた白い車がある
「春だったのだけれど、関東の北を走っていた.道が新しく出来ていて、下を流れる川は父とよく来た川だったことを思いだしていて…」
「……」
「人を失うということは、もうひとつの風景を失ってしまう…それを見た人を.永遠という言葉は、かつてあったこと、いまあることが失われること…その永遠の喪失に限って使われてよいことばなのかもしれないね」
「でも、あなたは、いまもここにいる」
「いつまでも…だろうか.きみがここに来なくなる日が来ても、ぼくはひとりでここにこうして座りつづけるのだろうか」
「いつかはそんな日がくるでしょう…でもそれはいまじゃないわ」

床を、砂が流れてゆく.微かな、そしてひそやかな音をたてて…
「聞こえる?」
とぼくはいった
「……」
女性は静かに肯いた



「そうだ…もうひとつ」と女性はバッグからぬいぐるみをとりだした.5cmほどの大きさの猫.眠るように目をとじていて.鈴と赤く長いひもがついていた
スポンサーサイト

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/03/29(土) 01:10:15|
  2. ダークファンタジー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<グレイ・フラッシュあるいはフィロソフィア・ブルー | ホーム | 「軍犬と世界の痛み」やはり必読の1冊>>

コメント

おもちゃ

おもちゃを探すなら http://www.tularebw.com/101164/101189/
  1. URL |
  2. 2008/09/23(火) 00:08:45 |
  3. #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sym82746.blog46.fc2.com/tb.php/99-a27b841e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

sym82746

Author:sym82746
sym82746でぐぐっていただければ、わたしのプロフィールがなんとなくつかんでいただけるかも。現在6匹の猫と暮らしています

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

blogpet

アナログFlash時計26(アクアブルー)








ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。